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フェニキア人の街、そしてエルサレムへ|西洋美術研究の旅2

7時からバスでレバノンの奥深く行った。赫土、緑の松林、赤い石の建物の街を抜けて石の山に添って海岸を行く。まっ黄のミモザが山にはっている。こんもりはっている。

古代フェニキア人の都の古蹟を見る。素朴な石の街である。今も岩石を積んだ小さな家の街。うちはサボテンやブドウ、レモンの静かな街で、小さな港もあり釣りをしている人もいる(レモンとバナナの産地)。

昼食はすばらしい饗宴であった。

低い細長い石の室のような店で、坐れるような席だったので大喜び。すばらしい御馳走だった。

天井からランプが下がって石を積み上げた壁、低い椅子、古代的な感覚である。五種類くらい出た。皆酸っぱくて驚いた。そら豆がさやのままに出た。とりの丸焼きはおいしそうだったが満腹で入らなかった。

又きた道を戻ってベイルート博物館に行く。きれいな大きなミモザの花が印象的だった。大理石の石棺の彫刻が素晴らしかった。

フェニキア人は商売上手でけして戦争をしないので今も貿易で栄えているとの事。

ベイルート空港からキプロスのニコレア空港に入ったときはもう夜であった。長い斜面の廊下を上がって待合室で待ち、飛行機でイスラエルのテルアビブ空港に着いたのはもう11時近かった。

イスラエルは近いと言うのでもうすぐと思ったのに仲々着かず、街筋を抜けて山を越えあかりのない道をしばらく行った。2時間位かかったような気がした。ようやくわづかな灯が見えてエルサレムに着いた。

暗い横丁に入りホテルのドアが見えた。私はSさんの荷物を持って階段を2つ上がった。ロビーの椅子にやっとかけた。疲れてしまった。

1時30分ころである。

部屋の中はガランとしてベッドだけ2つある。お風呂はぬるく少しにごっていた。やっと旅の第一夜をホテルで休めた。薄い毛布が一枚で寒いかんじ。

Tさんとの一夜である。Tさんはレバノンから持ってきたミモザをコップに挿してやった。

長い一日であった。

一日の中に三国に渉って歩いた。レバノン−キプロス−イスラエル。これは大変な長旅である。床についたのは2時過ぎであった。

 

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