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エルサレム|西洋美術研究の旅3

夜が明けて、エルサレムの街はすばらしい石の街である。はじめてのホテルの朝食はパンと紅茶である。バスは嘆きの壁の広場のところから出ていた。

朝は歩いてバザールの数個の店の雑踏を過ぎてコーランのお祈りの声のひびく中を、石畳の迷路のような道をしたの方へおりて行った。途中で日本人の牧師さんにあった。私達の団体の行列の途中が切れて判らなくなった。こっちの方だとTさんといる一行の中の牧師さんが聞いて、すぐにも見失うほどの人混みの中を列を切らぬように歩いていった。

広場に出た。大きな教会とイスラムの寺院があった。教会は尖った塔で中は薄暗く赤い絨毯が敷き詰めてあるところに靴を脱いで上がった。ステンドグラスがきれいだった。

イスラムの寺院は青と緑のきれいな円塔で初めて見る異様な美しさに驚いた。また元にかえってキリストにゆかりの小さな教会、聖境母教会を見た。燈明をあげる。ローソク立や燈籠が印象的だった。

それからさっきの広場のところからバスに乗って小高い丘の上まで行った。そこはユダヤ人のお墓のあるゴルゴダの丘で、少しばかりの羊を牧夫が追っていた。それからイスラエル大学や新しい病院やアパート等が赤土の上に立っているところを見て、昼食を取りに下まで降りた。

そこには古い城壁がつづいて、その付近では一寸きのきいたレストランがあった。レストランは満員で地下に降りた。セルフサービスでキャベツのサラダとじゃが芋の揚げたのと魚のフライトパンと果物の吸い物とコーラを貰った。魚の揚げ物は白身で、意外と食べられた。

午後はイスラエル博物館へ行った。新しい美術案を見た。素晴らしく立派で、庭園と建物はどこにもないほどの近代的な設計であった。ヨネ野口の作品もある。

メイア首相の邸宅や国会議事堂の近代的建物の前を通って、旧市街にかえり、ベツレヘムへ行く。夕方近く、キリスト降誕教会へ行く。入口は小さく、中は薄暗く、キリスト降誕の場所は穴があり血の流れのような跡があり、天井の低いところで祭壇があった。牧師さんがささげる盆に賽銭をあげる。

ベツレヘムは小さな街でここの人はこの教会で食べているのではないか。バスまで来てスライドや絵葉書を売る。途中の家は石の小さな家だった。土産物屋で骨董品のような飾り物を買った。

夜ははじめてホテルの夕食をとった。夜はうすい毛布一枚で寒いようだったが、毛糸の服を着て寝た。

 

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